「弾いた」と「弾けた」の違い
当サロンでは、一つの曲を弾く時に、
「 きちんと 美しく弾く習慣 」を 小さな時から つけて欲しいと思って、レッスンをしています。
新しい曲の 音符を読んで 一通り 最後まで 弾く。
これは、 「 弾いた ( 楽譜を読んでみた ) 」 英語だと 「 try 」なのです。
これだけを 繰り返していても、演奏する力は 付きません。
楽譜に書いてある 強弱 ( pp ~ff、crescendo だんだん大きく dim だんだん小さく ) など、
その他 音楽用語による指示 ( dolce 優しく、rit. だんだんゆっくり ) などは、
出て来た度に 一つずつ きちんと覚えて演奏していけば、
いつの間にか 沢山の音楽用語 ( 大半は イタリア語 )も 覚えてしまいます。
それらを、
楽譜の指示通りに弾く 訓練 を 小さな時から 身につけておかないと、
大きくなっても なかなか出来なくて、
変化の乏しい 残念な演奏に なってしまい、
その癖が なかなか取れなかったりします。
そしてまた、どんなに小さな 易しい曲でも、
曲のイメージを感じ、心を込めて 大切に弾く気持ち が 大事です。
どんなに小さな事も いい加減にせず 、
楽譜に書いてある 全てを読み取る事に 心を配る事が出来れば、
人の心を 敏感に察知し 思い遣る 優しい気持ち にも、繋がってきます。
これらを きちんとふまえて、勿論、
止まらず、間違えず、 美しく、最後まで 出来た時に、始めて 「 弾けた 」と言える、と思っています。
英語だと 「playing piano 」ですね。
そして、「 暗譜する 」 習慣を 同じように つけて欲しいと思っています。
何故なら、「 子供の頃に 弾いた曲は、一生 忘れないから 」です。
不思議なもので、子供の頃に弾いた曲は、何十年弾いていなくても、すぐに思い出して 弾けるのです。
しかし、大人になってから覚えた曲は、弾かなくなると、あっと言う間に忘れてしまい、もう一度弾くのは大変な作業なのです。
先程書いたように きちんと 意識を持って練習すれば、「 暗譜しよう 」 と思わなくても、自然と 暗譜出来てしまいます。
子供たちは みんな 素晴らしい能力を 持っています。
楽譜に書いてある 全てを読み取り 演奏する力を育て、心豊かな人間になりましょう。
小さな芽から、沢山の美しい花を咲かせたいと 、私は いつも 思っています。